公共システム研究室(鳥取大学)

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2008年度 修士論文卒業論文はこちらです)

高潮災害を対象とした避難行動シミュレーションに関する研究 pdf_icon.gif
小栗 佳子
<要旨>
昨今,国や地方自治体の財政は逼迫しており,高潮に対する防災面においても,防波堤の全面かさ上げといったハード対策を講ずることが困難となっている.そこで,ハード防災ばかりに頼るのではなく,地域の浸水災害に対するハザードマップや避難経路の設定,更には避難訓練といった住民参加型の防災力を高めるソフト防災にも力を入れる必要があると考えられる.ソフト防災力を高めるための支援ツールとしては,避難行動シミュレーションが挙げられる.本研究では,避難行動シミュレーションにおけるシナリオの現実性の向上を目的に,まず地域の住民の防災意識と避難行動を把握するために境港市渡地区を対象にアンケート調査を実施する.次いで,アンケートの分析結果に基づいて,対象地区の避難行動及び行政側の防災対策の脆弱性を明らかにし,避難行動シミュレーションのシナリオを改良する.そのシナリオに基づいて,避難勧告後避難完了までにかかる時間の算出を行うと共に,今後の行政側の防災対策について考察する.

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2008年度 卒業論文

台風通過後に発生する高潮に関する研究 pdf_icon.gif
岩城 智弘
<要旨>
鳥取県では台風の最接近時より,その後の台風が北緯40度付近に達した頃,最接近から約12〜18時間遅れて潮位が最も高くなる傾向がある.台風0418号では境港で台風が最も接近してから約15時間後に最大潮位を記録している.そこで本研究では,避難システム構築の基礎資料として提案することを目的として,境港で台風モデルとメソ気象モデルWRFで気象場の計算を行い,SuWATにより高潮再現計算を行った.その結果,WRFの気象場を用いた場合に再現精度が台風モデルより良くなった.

護岸被覆層の累積損傷に伴う消波性能に関する予測システム pdf_icon.gif
河合 直樹
<要旨>
海岸構造物に関する維持管理型設計法の観点から,高波が襲来した際に被災することで劣化した構造物が本来の機能を維持しているのかを正確に示すことが求められている.本研究では捨石護岸堤を対象に,性能劣化指標として反射率を取り上げ,変動特性を明らかにする.さらに,現場で容易に目視計測できる被覆材の被災個数や被覆工の各種諸元,設計波浪条件を入力データとした,被覆層の被災進行に伴う反射率の予測システムを開発するものである.

沿岸域の浸水被害を対象とする避難シミュレーション手法を用いた地域の社会基盤の脆弱性評価 pdf_icon.gif
雁津 佳英
<要旨>
現在,国・地方自治体の財政逼迫により,防災を対象とする護岸や防波堤といったハード防災施設を充実させるための莫大な投資は困難となっている.限りある財政の中で浸水からの被害をいかにして最小限に留めるかが課題となってくる.そこで本研究では,沿岸域の防災力を向上させることを目的とし,浸水災害に対する警報・避難勧告が発令されてからの住民の避難行動をシミュレーションで再現することにより,社会基盤の脆弱性について考察する.

公共交通路線のサービス水準設定法に関する研究 pdf_icon.gif
酒井 加奈子
<要旨>
地方では,住民の活動の保障を目指した公共交通サービスの計画が自治体に求められている.計画に地区間の公正を期すためには,市町村全体を対象とした標準的なサービス供給基準が必要となり,それをサービス水準マトリクスという形式で整理するアプローチがある.それが導出された後は,具体的な路線のサービス水準の設定が必要となる.その際,より効率的な運行形態も求められる.そこで本研究では,ダイヤと運行形態に焦点を当て,サービス水準マトリクスを路線に展開する手法について検討する.

消波ブロックの損傷累積モデルに基づくLCCの定式化 pdf_icon.gif
角 勇人
<要旨>
近年,海岸保全施設の老朽化が進んでおり,点検・補修等の適切な維持保全の必要性が広く認識されつつある.さらに,近年の社会経済情勢のもと,構造物の建設費用を合理的な範囲で縮減することが強く求められている.損傷量によって補修実施の判断し,損傷を未然に防ぐ予防的な補修が考慮されているLCCの定式化はされていない.本研究では,累積された損傷量によって補修実施の判断をし,異常波浪が襲来し消波ブロックが致命的な損傷する前に予防的な補修をし,損傷を未然に防ぐ予防的な補修が考慮されているLCCの定式化を行った.

周遊観光に関するアクセシビリティ指標の開発 pdf_icon.gif
妹尾 麻衣子
<要旨>
人口減少が進む地域においては,地域の活力を維持するために交流人口の確保が重要な課題となっている.交流人口の確保策の一つとして観光客の誘致があり,そのためには魅力ある訪問地を戦略的に立地させ,周遊観光のしやすい地域づくりが求められる.その検討に際しては,周遊観光のしやすさを定量的に評価しうる技術があれば有用である.そこで本研究では,時間地理学におけるアクセシビリティ指標に着目し,周遊行動を考慮しうるよう指標を改良するとともに,その有効性を事例に適用して実証的に検討する.

人口減少地域における汚水処理方式の選択に関する研究 pdf_icon.gif
野口 彩
<要旨>
近年,人口の増加にともない汚水量や人口の密集した地域では処理方法は浄化槽から下水道に移行していった.人口が多い地域ほど一人当たりのコストが低くなることから,我が国の下水道普及率は高くなっていた.しかしながら,地方の人口が少ない山間部では下水道を整備することが難しい地域であり,下水道の普及率は低くなる.本研究では,今後人口の増加が見込めないと考えられている地方での汚水処理方式の選択手法を検討する.

維持管理を目的とした生活道路の分類手法に関する研究 pdf_icon.gif
村田 博美
<要旨>

中山間地域の社会参加に着目した時間バランスシートの開発 pdf_icon.gif
吉田 絵梨子
<要旨>
過疎地域の活性化には地域住民による社会参加が重要と考えられる.社会参加には人々と接する機会の多さという量的な側面と多様な人々にどれだけ接するかという質的な側面があり,それらを把握するためには地域住民がどのような人々とどれだけ時間を共有しているかに着目することが有用である.そこで本研究では,人々が様々な活動の実施において投入,消費した時間を整理するとともに,どのような人々に接しているのかも表現しうるバランスシートを提案する.

集落間での相互扶助の広域連携システムに関する分析 pdf_icon.gif
品川 真樹
<要旨>
従来,本人による生活機能の維持が困難な住民に対して集落内の相互扶助によって対応することができた.しかし,人口減少や高齢化が進む集落においては,今後,集落内のみでは対応できなくなる可能性が高い.このため,集落において安心な生活を支えるには,集落外の住民の応援を想定した広域的な相互扶助システムを構築することが有用となる.そこで本研究では,集落間の広域連携に基づく相互扶助のシステムを想定するとともに,効果的な連携を導出しうる手法を開発する.具体的には,将来における個々の集落の生活機能別の需要と供給,すなわち,助力を必要とする人数と助力を提供可能な人数のバランスを把握する手法を検討するとともに,それらの人数の過不足を調整するための効果的な広域連携を分析する手法を数理計画法に基づいて開発する.また,どのような広域連携が効果的であるか鳥取県三朝町を対象に実証的に検討する.

不規則波浪場における水位の空間特性に関する研究 pdf_icon.gif
田中 宏
<要旨>

最終更新:2016-09-28 (水) 16:27:38