公共システム研究室(鳥取大学)

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2007年度 修士論文卒業論文はこちらです)

土運船より投入された浚渫土砂の堆積形状に関する予測図表 pdf_icon.gif
安田 是
<要旨>

世帯での集団意思決定モデルを用いた通学行動に関する研究〜路線バスの選択に着目して pdf_icon.gif
端詰 将範
<要旨>
地方における路線バスの利用者数は低迷しており,主たる利用者は自家用車を運転できない高齢者や学生が中心となっている.しかし,学生については,保護者による送迎,鉄道機関との競争などにより,今後も利用の減少が懸念される.このため,学生のバス離れをいかにくいとめるかという視点が,バスサービスの維持にとっては重要となる.学生の通学用の交通手段としては,自転車や保護者による送迎などいくつかが想定される.ただし,一般の個人とは異なり,学生が一人で手段を選択するわけではない.すなわち,保護者の事情も考慮し,世帯としての意思決定を双方が集団で行う.そこで本研究では,学生とその保護者の間での相互作用を考慮した通学における交通手段選択に関する意思決定モデルを構築するとともに,鳥取県倉吉市のアンケートデータを用いて,どのような特性の世帯が路線バスを定期的に利用するかの可能性を明らかにする.

住民の選好に基づいた生活の質に関する地域間格差の評価 pdf_icon.gif
松永 拓也
<要旨>
近年,経済や教育など,様々な分野における地域間の格差が関心となっている.しかしながら,地域における生活の質は特定の分野のみに依存しているわけではないため,個別の分野が他の地域と比較して低位にあることが全般的な生活の質で格差があることを直ちに意味しない.一方で,全般的な生活の質で格差が生じている場合は,無視できない格差があると考えられる.そこで本研究では,生活の質の格差を住民の選好に基づいて評価するための手法を検討する.その際,総合的な評価はどのような価値観を想定するかで異なりうる点に留意を要する.すなわち,個人の価値観は多様であることから,どの価値観を想定するかのアプローチは有効ではない.そこで,各地域の生活の質が何位に順位づけられるか,また,その順位がどれだけ広範な価値観のもとで成立するのかをSMAA-Oを用いて導出し,その成立範囲を地域間で比較することで格差の度合いを評価する方法を提案する.

避難シミュレーションを用いた沿岸地域の津波に対する脆弱性の評価 pdf_icon.gif
蘆田 哲也
<要旨>
国・地方自治体の財政が逼迫している現在,沿岸地域における地域防災を考えた場合,防波堤建設に莫大な投資をして津波に対する防災機能を満足させることは困難となっている.従って,津波による人的被害を抑制するために,津波発生時に住民が避難することを前提とした防災政策を取らざるを得ない地域が多く存在している.そのような地域では,津波発生時の避難情報の伝達方法,住民の避難方法の取り決めといったソフト防災を十分に活用することが重要であると考えられる.そこで,ソフト防災の効果を評価し,これらを防災事業に取り込むことで地域の防災力を如何に発揮できるかどうかが課題となる.本研究は,まず津波発生時の住民避難のシミュレーションを構築し,それを用いて住民が避難に要する時間を算出,さらには津波に対する地域の防災上の脆弱性を評価するとともに,最終的にハード・ソフト両面から地域の防災機能を高めるための防災施策について考察するものである.

小規模自治体における行財政計画の立案支援システムの構築 pdf_icon.gif
大近 翔二
<要旨>
財政が逼迫している自治体では,個別の分野ごとに十分なサービスを提供することは困難となっている.このため,住民のニーズを踏まえ,重点的な分野を総合的な見地から判断し,限られた予算で生活の質を維持する行財政計画が要請されている.とりわけ実行可能な事業数が限られる小規模自治体では,必然的に総合的な判断が求められる環境にある一方で,そのための技術が十分でないという課題がある.そこで本研究では,小規模自治体の職員が行財政計画を立案する際の支援技術の開発を行う.具体的には,顧客満足度調査に基づいて住民ニーズを把握するための調査手法を検討するとともに,その調査結果から住民ニーズを定量化する手法をコンジョイント分析を用いて開発する.さらに,予算の配分に対する住民ニーズの応答を分析するシミュレーション手法を開発し,行財政計画と住民ニーズとの関係の検討を可能にする.さらに,これらの支援システムを境港市に適用し,その有効性を検証する.

地方における生活交通サービスの共存・競合に関するモデル分析 pdf_icon.gif
大森 基紀
<要旨>
中山間地域では利用者が少数かつ広範に分散していることから,従来の路線バス事業の成立が困難になっている.そこで,路線バスに代替する生活交通サービスが提案され,多くの地域でその運行が行われるようになっている.その一つとして,需要対応型の交通サービス(DRT)がある.DRTの運行形態は多様であるが,需要が発生した際にのみ運行を行う点,自宅近くで乗客が乗り降りできる点でタクシーと類似している.このため,DRTとタクシーは競合関係にあると言える.しかし,DRTとタクシーが提供するサービスは厳密には異なり,双方のサービスの共存を求める地域は少なくない.そこで,本研究では,これらの二つの生活交通サービスが導入されている状況を想定した上で,利用者の選択行動をモデル化し,安定的な状態がもたらされるのか,また,その状態においてタクシーとDRTの双方が成立しうるのかを,待ち行列および進化ゲームを用いて分析する.

活動の保障に着目した公共交通のサービス水準設定に関する研究 pdf_icon.gif
牧 修平
<要旨>
地方においては,自家用車を利用できない人々の基礎的な活動の機会を保障する役割を公共交通が担っており,住民生活を守る主体である自治体が公共交通の計画を立案することが求められている.このため,活動を効率的に保障するのみならず,公平性の観点が計画に要請される.公平性の基本的な原則に従えば,同じ交通行動特性をもつ地区には同じサービス水準を,異なる地区には異なる水準を設定することが適切である.したがって,交通行動特性を持つ地区に地域を区分し,活動を保障するための公共交通サービス水準を設定する必要がある.そこで本研究では,通院や買い物といった各活動の開始時刻や活動時間帯を交通行動特性とし,クラスター分析を用いて地域を区分する手法を検討する.その上で,区分された地域単位にサービス水準を設定する考え方および手法を動的計画法を用いて検討する.以上のプロセスを総合化し,公共交通のサービス水準設定の方法論を構築する.

過疎地域における定住意向と生活機能に関する考察 pdf_icon.gif
森 健治
<要旨>
過疎地域における自治体では,人口減少による過疎化が進むと予想され,存続が危ぶまれる集落も少なくない.この現状のもと,持続可能な地域づくりが大きな関心となっており,定住人口の維持が一つの課題となっている.住民の生活を支援するためには,災害にあわない,移動できるといった様々な生活機能を確保するための政策を講じる必要があるが,そのためには定住意向と生活機能の関係の把握が必要である.そこで本研究では,どの生活機能に支障が生じれば定住意向が損なわれるのか,生活機能の水準がどの程度であれば生活機能に支障が生じるのかについて検討する.具体的には,住民にアンケート調査を行い,モデルを用いて各生活機能と定住意向の関係を世代別,地域属性別に分析する.

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2007年度 卒業論文

海岸構造物における性能劣化の評価指標に関する一考察 pdf_icon.gif
家永 健吾
<要旨>
現在,自然災害の規模の拡大に伴い,社会基盤施設の維持管理が重要視されている.このため,被災によって劣化した構造物が十分な性能を保持しているか明確にする必要があり,劣化状況により修復作業を行う基準を判断するシステムの構築が求められている.しかし,社会基盤施設の1つである海岸構造物においては性能劣化を判断する指標として確立したものがない.そこで本研究では海岸構造物を対象として,波浪データを算出するための数値解析モデルを構築し,数値解析の結果より反射率,作用流速を算出して性能劣化を判断する指標として適用できるか検討する.

生活環境への認知的な適応に着目した公共交通のシビルミニマムに関する研究 pdf_icon.gif
國井 政雄
<要旨>
地方・過疎地域の多くの自治体において公共交通のサービス水準の低下が余儀される中,所与のサービス水準がシビルミニマムを満たしているかが一つの関心事となっている.本研究では,人々が最低限度の生活環境に認知的に適応できるかどうかを分析した生活の質および社会指標研究の知見を採用し、公共交通のシビルミニマムを導出するアプローチを検討し,鳥取県米子市,島根県雲南市,広島県安芸太田町を対象にその適用を試みる.

釣り人の選好性に基づいた港湾整備に関する研究 pdf_icon.gif
林 佑樹
<要旨>

透過率変化に基づく潜堤の補修費用に関する検討 pdf_icon.gif
馬場 広和
<要旨>

交通行動に基づいた地域分割の手法に関する研究 pdf_icon.gif
藤山 耕助
<要旨>
公共交通を計画する場合,どの地区にどれだけのサービス水準を設定すれば適切かが課題となる.その際,同じ交通行動を持つ地区には同じサービス水準を,そうでなければ異なった水準を設定するのが公平性を担保する上での基本的な考え方となる.そのためには行動特性に基づいて地域を分割し,分割された地区ごとにサービス水準を割り当てていくことが必要となる.そこで本研究では,活動の開始時刻及び終了時刻と自宅から活動場所までの距離の関係に着目し,地域を分割する手法を提案する.

津波遡上時の人的被害に関する評価法の構築 pdf_icon.gif
井上 弥生
<要旨>

中山間地域における生活機能の需給バランスの予測 pdf_icon.gif
垣田 智美
<要旨>
人口減少や高齢化の進展により、地方では従来の生活機能を保つことが難しくなっている.また、自治体の財政事情により、現行の行政的支援にも限界がある.このため、集落内で個人の生活を互いに支え合う必要性が増している.そこで本研究では、集落内での生活機能の需給バランスを整理した表を提案する.さらにそれを用いて,将来において,集落内の余力がどの程度発生するかを明らかにし,今後の集落維持の対策について検討する.

自動運転システムを用いた遊休車両の共同利用に関する効果分析 pdf_icon.gif
川村 周平
<要旨>

活動時間のリスクを考慮したアクセシビリティ指標の構築 pdf_icon.gif
馬渕 太一
<要旨>

津波来襲時の避難行動シミュレーションの開発 pdf_icon.gif
山本 和之
<要旨>
津波災害対策には政府や地方自治体が行う防波堤建設等のハード防災事業だけでなく,被災に備えた住民の避難方法の取り決め等のソフト防災が必要であり,ハード・ソフトの両面を含めた総合的な地域防災マネジメントを行うことが地域の防災力を高めることに繋がる.そこで本研究では,津波来襲時の住民の避難行動をシミュレーションで再現することにより,住民の避難行動における問題点や地域の防災上の脆弱性および対策を考察する.

最終更新:2016-09-28 (水) 16:27:38